今後の日本におけるリバーボード・ハイドロスピードのためにAmelie達が残していってくれたもの

フランスのテクニックを学ぶ時間

リバーボード(ハイドロスピード)発祥の国フランスの選手達が学ぶ技術をフランス女子チャンピオンのAmelieとパートナーのKeranが日本で選手として活動しているメンバーに技術を伝承するべく時間を作ってレッスンしてくれました。

日本を出国する前に二人から選手達に伝えてもらいたかったこと

右からKeran、Amelie、Yohei

AmelieとKeranが日本での時間を終え、ニュージーランドへ川旅に出発する数日前に、もし良ければ日本でリバーボード・ハイドロスピードを競技として取り組んで頑張っている選手達にフランスの技術を教えて欲しいとお願いしたところ、快く引き受けてくれた。
二人が参戦してくれた御岳カップ・リバーボード部門では圧巻のパフォーマンスを見せてくれて、やっぱりフランスの選手は何かが違う!というところを示してくれた。いや、思いっきり見せつけてくれた。
実際に色んな違いがあることが明確になったけれど、本当のところ何が違うのか、そしてフランスではどんな事を学び、どんな練習をしているのかを教えて貰えることになった。

びっしりと書かれた練習メニュー

Amelieが準備してくれた練習メニュー表

数日の間にAmelieが川に入りながら、この環境でできる練習メニューを考えてくれていました。こんなにびっしりと、そしてしっかりと考えてくれていて、すごく嬉しい。僕達がこのスポーツにかける熱量・情熱は、彼女が5歳の時からひたむきに取り組んできたリバーボード・ハイドロスピードというスポーツへの熱量・情熱と共鳴し合い、二人がリバーボードクラブを拠点にしてくれていた間、本当に貴重な時間を共有できたと思っています。

無意識だったことを意識的に、その上で無意識にできるようにする

リバーボードはフィンワークで直感的に動く事ができるのが大きな魅力であり特徴。
何となく足を動かしてフィンワークを行っていると、何となく動けていたりする、ということがよくある。だけれど、選手としてレースを戦っている僕達にとって無駄なフィンワークはむしろ水の抵抗を受けたりしてタイムロスに繋がる。急いでゲートを通過するために、たくさんキックをしてしまいがちだけれど、そうすると体力を消耗する上に、逆に遅くなってしまったりする。何よりもスマートな動きに見えない。
今回、Amelie達がメインのポイントに添えていたことは「一つ一つの動きの意図を明確にする」ことでした。
無意識に行っていたフィンワークも、よりクリティカルに、そしてハッキリと意識して一つ一つの動作を行う。
それを無意識にできるようになるまで練習して身体に覚えさせる。
動きの全てに意図を持って行うことで、より自らのリバーボーディングが洗練されていく。
フランスの選手達がみんな必ず学ぶことを、僕達もAmelie達から学ばせてもらいました。

レースで高みを目指すから成長できて還元することが出来る

僕達はリバーボード・ハイドロスピードをスポーツとして向き合い、技術の向上を目指し、ボードの性能と向き合い、己と向き合ってきました。
挑戦の数だけ失敗やつまづいたりすることもある中で、ブラッシュアップし続けてきたからこそ、積み上げることが出来たことがあると実感しています。
その積み上げてきたことのすべてが、リバーボード・ハイドロスピードを楽しむ人の笑顔に何らかの形で繋がるはず、僕達はそう信じて取り組んでいます。

レースから導き出される課題と学び

リバーボード・ハイドロスピードのレースに参戦したことがある人は、まだ日本では少ない。一度や二度参加したことがある人もいるけれど、継続して向き合っている人は片手で数えられるくらいなのが現状です。正にマイナースポーツを地で行っている。
普段のリバーボーディングでは何となくできている事も、レースになると出来なかったりする。そして、体力も正直めちゃくちゃ消耗します。
レースでスタートからゴールまでを泳ぎ切ったら、少しの間動けなくなるくらい疲れ切る。
僕自身も正直動けなくなります。
それくらいレースでは高い負荷が身体にかかる。
ここでやめてしまう人がほとんどだったりする。

だけど、その先へ歩みを進めていく中で向き合うことにこそ、実は面白いことが数多くある。
ここまでの身体への負荷は実際のレースでしか味わえない。
いくら技術があっても結局は体力が無ければ、その技術も活かされない。
それがレースを戦う度に痛感させられること。
だからまずは身体作り。
そして、自らの技術を磨く。
練習では、レースで味わった身体への負荷を思い出しながら、常にその負荷を想定して、そこへ自分を追い込んでいく。その上で技術をしっかりと発揮できるかどうかと向き合う。
そこに無駄な動作があれば、それだけ負荷がかかる。
どこまで鍛錬、洗練することができるか。
レースでの負荷を身体に記憶させて、日々のトレーニングで自分の限界と向き合い続ける。
スポーツとして、より確立されているフランスの向き合い方を学べたことは本当に大きい。
AmelieとKeranのレッスンは僕達に多くのヒントを与えてくれた。
Amelie達フランスの選手達は僕達がやっている以上に強度の高い練習をしている。
それを知ることができたからこそ、僕のモチベーションも上がっている。

何よりも情熱を共有できたことが一番嬉しかった

実は二人は去年もリバーボードクラブを拠点にして日本を旅していました。
去年も二人とはリバーボードの情熱を共有できて素晴らしい時間を過ごすことが出来た。
その後二人は自転車でオーストラリアを縦断。
その旅の終わり頃に、Amelieからメッセージがきた。

もう一度日本へ戻って一緒にリバーボーディングがしたい。自分の英語はオーストラリアを旅する中で上達したから、リバーボードについて前回よりも、もっともっと色んな事を共有したい

このメッセージに僕の心は熱くなった。本当に嬉しかった。

本当のことを言うと、少し前までは僕自身、日本でリバーボード/ハイドロスピードを普及していくことに、正直いって限界を感じていた。というのも、競技者が一向に増えない。どれだけ普及に努めてもスポーツとして向き合う人が全然増えていかないことに対して、自分の不甲斐なさに本当に悔しい気持ちになることが多かった。もういいかな、と諦めかけていた。
それは自分自身の力不足でもあるということは重々自覚していたけれど、もうこれ以上どうすればいいのか分からなくなっていたところでした。
本当に分からなくなっていた。投げ出したくなっていた。

そんな中で、AmelieとKeranが2年続けて来てくれたことで、自分の熱量や情熱と共鳴して、なんだかすごく嬉しかった。
そして、ずっと心の中に抱いていたモヤモヤした迷いが少しずつほどけていった。

今は何よりも、自分が一歩でも先へ行ってチャレンジし続けることに集中しようと心に決めました。
自分が挑み続けることで、その先に見えること、感じることを楽しみたい。
ずっと悩んでいたけれど、それはその分熱量が高いから。
これからも悩み続けるけど、だからこそ色々と学べるだろうし成長したい。
そういう中で挑戦することが、僕は結局好きなんだと思います。今思うと。

2026年フランスチャンピオンシップ

今年、AmelieとKeranに相談したこと、それは「フランスチャンピオンシップに出たい」。
僕に欠けていたこと、それは自分の限界にチャレンジする、自分の存在を賭けてチャレンジすること。本来フランスチャンピオンシップはフランス国内各地で予選を戦い勝ち上がった人のみが参戦できる全国大会。このレースこそが正真正銘の世界最高峰の戦い。
今までに外国人選手が参戦したことは殆どないそうです。
Amelie達が推薦してくれて、フランス連盟の役員達とビデオ会議を行い、参戦を承諾して貰えた。
僕は今ようやく新たに、心がワクワクするチャレンジと向き合うことができている。
改めて一から自分のリバーボーディングと向き合い、フィジカルと向き合い、心と向き合う。
AmelieとKeranが繋げてくれたこの機会、僕とAkiko、そしてcafe monacaのMomoちゃんの3人でレースを戦ってきます。是非応援よろしくお願いいたします。

Road to France 応援Tシャツを販売予定

Amelieが僕達のRoad to Franceのためにデザインしてくれました。
このTシャツを販売して、少しでも参戦する僕達3人の渡航費に充てたい。
でも、何よりも応援してくれる人達と、この物語を共有したいんです。
僕達は必死に挑みます。
AkikoもMomoちゃんも、今までにないくらい心が熱く燃えている。
お互いを高め合うことができている。
それは僕にとって今までになかったこと。
個人競技だけれどチームなんだと感じることが出来ている。
是非あなたにも、このチームを応援して頂きたいです。

まだ販売価格などは未定です。
この写真も一応サンプルです。
2月ごろまで注文を受け付けて発注する予定です。
応援してくれる方は是非ご連絡下さい。
また改めてお知らせさせて頂きます。
是非応援よろしくお願いいたします。

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