流れに合わせる角度を時計に見立てる
今回は川イルカ講習の中級者向けコンテンツ。
川の流れへボードの角度を合わせる際に、角度を理解するために時計をイメージしてみましょう。
流れに対して「上流を12時」「下流を6時」とします。
「左岸を3時」「右岸を9時」とします。
こちらの画像では左岸から本流へとストリームインする際に、ボードのノーズ(先端)を約10時~11時へ向けています。
この角度は流れへ対して上流に向かって約45度にも見えるかと思います。
上流45度の角度は「Ferry angle(フェリーアングル)」とも呼ばれていてリバースポーツではよく使われる名称です。
ストリームインの際には横切るにしろ、下流へ下っていくにしろ必ずしっかりとフェリーアングルを作り流れへ入っていきます。
フェリーアングルを作らずに流れへ入ろうとするとどうなるか?
流れに入ることができなかったり、エディへ押し戻されたり、時には転覆してしまうこともあります。
きっとあなたもそのような経験をしたことがあるのではないでしょうか?
最初は誰もがみんな通る道です。
一つの流れに見えても流れの向きは場所によって違う
川の流れの向きを知るには地形や流れの上流側を観察してみよう。
画像では青色の矢印が本流の流れの向き。
この区間では上流の流れが両サイドの岩や地形により内側へ圧縮されて一本の強い流れへと変化している。
しかし、この流れ一つをとっても流れの力が働く向きは場所によって違う。
左側の流れは左岸に当たり右へと押し出されている。
右側の流れは岩に当たり左へと押し出されているのが見て取れると思います。
川の流れは一見複雑に見えますが整理して考えると全てが「物理」。
なるべくしてなっているのです。
山から海へのダウンヒルを谷間に沿って流れる川。
地形や岩に流れが当たり様々な流れを形成する。
そんな川というフィールドは理解すればするほど魅力溢れる存在です。
目線をそらさないで!
「目線」。
それが「目線」なのか「意思」なのか。
恐らく両方だと思います。
自分の行く先を目線で繋ぐ。
そうすると身体の軸が目線を向けた方向へと開かれる。
その状態で流れを受けることで軸が開いている方向へボードが自然と向いていきます。
これは身体の仕組みと流れの力を最大限利用するということです。
慣れないうちは、水面だったり手前に見える物に視線がいってしまい進行方向へ目線が向いていないことが多いです。
心当たりがある人も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
この他にもコツはありますがここではベーシックなポイントのみご紹介します。
詳しくは川イルカ講習へお越頂いた際にご案内します。
エディへ入る角度
エディ(岩裏)へ入る時にはこの画像でいうと8時9時位の角度。
そうすることによって加速しながらも「本流がエディへと流れ込んでいく」のと同じ方向で入っていくことができる。
理にかなっていますよね。
これも物理と言えば物理。
流れが岩に当たり、当たった水は岩の外側へ弾かれる。
するとエディ(岩裏)は周りの水よりも水位が低くなります。
そして周りの水が水位の低いエディ(岩裏)へと流れ込んでいく。
もうお分かりですよね。そういうことです。
僕たちもエディ(岩裏)へ入っていく水と同じ向きで入っていくことが最もスムーズにエディへ入る方法なのです。
シンプルなことですが、いざ急流を目の前にすると頭で分かっていても対応出来ないことも多いかと思います。
今回のブログでご説明したことを実際に川で表現するには頭で理解することも大切ですが、何よりもたくさんトライして、たくさん練習して感覚に落とし込んでいくことが最も大切です。
実際のシチュエーションでは川の流れに押されながら操作していく上に体力も消耗します。
無意識に動くことができるまでベストな角度や流れの感覚を探っていく。
その感覚を探ることに没頭しながら反復練習。
知性と体力。
その両方をあなたのリバーボーディングに落とし込んでいく作業。
川イルカ講習で基礎を練習していくことで、あなたのテクニックや知識を更に深めていきます。
是非あなたのお越しをお待ちしてます。
それでは今回の内容を解説付きの動画でご覧ください。